#9 スクワットで高重量を扱える方がスプリントやジャンプ能力が高い?

静岡学園ハンドボール部でS&Cコーチをしている房です。

ハンドボール、サッカーやバスケットボールなどのパフォーマンスを高めるためにウエイトトレーニングをしたい方からの指導依頼をお待ちしております!


今回は多くのアスリートがプログラムに組み込んでいるであろう「スクワット」についてです。

スクワットで上げられる重量がパフォーマンスにどんな関係があるのかツイッターで流れていたので自分でも調べてみました。


参考文献

Strong correlation of maximal squat strength with sprint performance and vertical jump height in elite soccer players

U Wisløff, C Castagna, J Helgerud, R Jones, J Hoff


研究目的:筋力とスプリント、ジャンプの関係を調べる


被験者は、ノルウェー1部のサッカー選手17名

年齢:25.8±2.9  身長:177.3±4.1  体重:76.5±7.6


2日間に渡って様々なテストを行った。

今回はスクワットに関連した結果が出たテストを抜粋。

・ハーフスクワット1RM(膝関節〜90°)

・30mスプリント(スタートラインから10m毎にカメラ設置)

・垂直跳び

・10mシャトルラン


結果

ハーフスクワット1RMと10mスプリント、30mスプリント、垂直跳びの高さ、10mシャトルランに相関がみられた。

垂直跳びの高さと10mスプリント、30mスプリントに相関がみられた。


考察

それぞれ相関関係がみられていますが、どれも股関節伸展筋群が主に使われることを考えるとこうなるだろうなという印象を受けました。

最大筋力が高ければ発揮されるパワーも大きくなるので、スプリント・ジャンプといった大きなパワーが要求される動作のパフォーマンスが高くなることが考えられます。


しかし、いくつか気になる点も・・・。

①スクワットに関してはフォームに関する記述が「膝関節〜90°」しかなかったので少し疑問が残る部分はあります。

どこを使って挙げているのかという部分がわかりづらいです。


②グラフを見るとハーフスクワット1RMは全て絶対値で書かれており、個人毎の記録がないので絶対値だけで考えるべきか、体重比で考えるべきなのかわかりません。

体重比が高い方がスプリント能力が高い可能性があるという報告もあります。

さらに絶対値だけで見てしまうと「ウエイトトレーニングではとにかく重い重量を扱えればパフォーマンスは上がるんだ!」という間違った解釈をしかねません。

とにかく重い負荷を上げるためのフォームが怪我のリスクのあるフォームだった場合、いつか怪我をしてしまうかもしれません。

傷害予防の効果もあるトレーニングで怪我をしてしまっては本末転倒です。

ウエイトトレーニングは安全で効率的にやるべきだあり、それを実現するフォームで行うべきだと自分は考えています。それが結果的に扱う重量が下がったとしてもです。


③著者も述べていますが30mスプリントでのスタートラインがカメラの測定位置から30cm手前だということ。これにより10mスプリントの結果が変わり、ハーフスクワットとの相関があるという結果に影響を与えているかもしれないということです。


気になる点はありますが、競技の中で走る、ジャンプするシーンがある競技をしているアスリートにとってスクワットをトレーニングに組み込む1つの根拠にはなりそうです。

じゃあスクワットを導入しよう!となった時に、先ほど言ったような部分にも気を付ける必要があります。

専門家に指導を受ける事でより早くフォームや注意事項を知ることができます。

選手として活躍できる限られた時間を有効に使うためにも指導を受けることをオススメします!


高校・大学の部活動、社会人チームなどのチーム指導を受け付けております!!

ぜひ1度ご連絡ください!

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