#13 アスリートでなくても筋トレをした方がいい
ダンベルやバーベルなどを使った筋力トレーニングは、筋肉を大きく(筋肥大)して見た目を改善するだけでなく、筋力や柔軟性などを向上させ身体機能を改善させることが可能です。
そんな筋トレ(以下、トレーニング)ですが、どんな人がやるべきなのでしょうか?
・アスリートや趣味でスポーツをしている人
・ボディビルなどの大会に出る人
・大会などには出なくても体型を変えたい人
一般的にはこういったイメージがあるのかなと個人的に感じています。
しかし、男女問わず上記に当てはまらない人(スポーツをしていない人・体型を変えたいわけではない人)にとってもトレーニングはとても有益で、取り組んだ方がいいと思われます。
その理由はトレーニングが「加齢による筋力の低下を予防・改善することが出来る」からです。
筋力低下を予防・改善することで日常生活の質を維持または向上させることに繋がります。
加齢に伴って起こる骨格筋量の減少と筋力・筋機能の低下する現象を「サルコペニア」と呼びます。
サルコペニアが重症化する(筋肉量の減少・筋力の低下が大きい)と日常生活の動作(歩行、買い物、洗濯、掃除など)が徐々に困難になる可能性が高いと言われています。
加齢が進めば進むほど筋肉量・筋力の低下が進むので放っておくと杖を使わないと立てない、歩けないなど自分1人での生活が難しくなります。
このサルコペニアの対策としてトレーニングが効果的な方法だと言われています。
筋肉量の増加・筋力の向上をさせることが出来るからなのですが、高齢者がトレーニングをしても筋肉量の増加・筋力の向上は起きるのでしょうか?
様々な研究で筋肉量の増加・筋力の向上が起きたという結果が出ています。
例えば、
・トレーニング経験のない60〜72歳の男性12名が高強度の膝の伸展、屈曲トレーニング(膝の曲げ伸ばし)を週3回、12週間行った。
その結果、膝伸展・屈曲筋力は増加し、太ももの筋横断面積も増加した。
・平均年齢85歳の高齢女性6名と平均年齢21歳の若年女性6名が高強度の膝伸展トレーニングを週3回・12週間行った。
その結果、若年女性の1RM(1回だけ行える負荷)は36%増加し、高齢女性の1RMは26%増加した。
様々な研究が紹介されており、参加者の年齢は非常に幅広く90代が対象となっている研究も紹介されていました。高齢になってもトレーニングによって筋肉量の増加・筋力の向上は可能と考えられますので、どのタイミングでトレーニングに取り組み始めてもいいとも言えます。
ですが、体力の衰えや筋力の低下を感じてからだったり体に痛みが出てからではなく、今まで通り身体的に不自由を感じない生活を続けるためにも出来るだけ早くトレーニングに取り組むことをオススメします。
トレーニングを行うことで筋力などの低下・減少を予防するだけでなく、今まで以上に動かしやすい体になることも可能です。
もし、体の状態が理由で出来なかったことがあれば出来るようになるかもしれません。
時間をかけすぎず効率的に、怪我なく安全にトレーニングする方法を知りたい方はお気軽にお問い合わせください!
1.Kent Adams, Patrick O'Shea, Katie L. O'Shea.
Aging: Its Effects on Strength, Power, Flexibility, and Bone Density
Strength and Conditioning Journal Japan, Vol.6, Num.7, pages1-9
2.安部 孝, 尾崎 隼朗
サルコペニアに対する筋力トレーニングの効果
Strength and Conditioning Journal Japan, Vol.21, Number 3, pages 2-11
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